コロナ禍以前に東京ビッグサイトで開かれた不動産投資セミナーは立ち見が出るほどの盛況だった。オンラインに主な場を移した今も熱気は変わらないコロナ禍以前に東京ビッグサイトで開かれた不動産投資セミナーは立ち見が出るほどの盛況だった。オンラインに主な場を移した今も熱気は変わらない(撮影/吉松こころ)

 多くの投資家が自己破産して社会問題になった「かぼちゃの馬車」事件から3年。不動産投資には今も若者たちが群がる。一体なぜ。リスクはないのか。AERA 2021年3月1日号から。

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「いよいよ不動産不況の足音がしてきました」

 不動産業界では今、こんな声を耳にすることが増えている。

「名古屋はバブル崩壊前夜。去年完成した投資用の新築ワンルームマンションで半分以上空室になっているものもあります」

 業界関係者はそう打ち明ける。

 だが2月中旬、都内の雑居ビルで開かれた不動産投資セミナーは5~6メートル四方の部屋を30人ほどの参加者が埋め、個別面談を行う七つのテーブルで熱心に説明を聞いていた。「今すぐ始められる不動産投資」「儲かる投資戦術」などと銘打ったオンラインセミナーも活況で、ある企業では開催の数をコロナ禍以前より大幅に増やし、1年8カ月ほどの間に累計7千人が受講したという。