しかし、法案に「等」という文字が記載されているとおり、改正されるのは一つの法律だけではない。

 具体的には、産業競争力強化法のほか、中小企業等経営強化法、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等、並びの改正も含めて10本以上である。

 このうち、具体名を上げた法律の改正が本法案の本丸であり、特に中小企業等経営強化法がその中心であるといえる。

意に沿わない中小企業を
「兵糧攻め」する法案に等しい

 では、「今回の改正のポイントは」と言えば、大きく分けて4つある。

 1つ目は、グリーン化(カーボンニュートラル化)及びデジタル化(DX)のための設備投資の促進である。一瞬聞こえはいいかもしれないが、お決まりの投資促進税制や利子補給・低利融資とのセットである。しかも、計画を作成して主務大臣の認定を受けることが前提条件となっている。

 要するに、税制・金融支援という「アメ」をぶら下げて、設備投資負担を半ば強制しようという措置であるが、そもそも需要が決定的に不足しているのみならず収縮しているデフレ状況下にあって、多くの事業者にとって設備投資を行うのは容易なことではない。

 実態を無視した独りよがりな措置以外のなにものでないだろう。

 2つ目は、「新たな日常」に向けた事業再構築であるが、その中身は事業再構築に取り組むべく計画を策定して主務大臣の認定を受けた場合に、赤字であっても繰越欠損金の控除上限の引上げ等の措置を中堅企業や大企業について行うというもの。

 実質的には事業転換の強制であり、追い立てられた大企業や中堅企業は、事業転換に役立つ中小零細企業を「買いに」行くことになるだろう(事業転換の中身については、単なるIT化ではないDXを例として説明する向きもあるようであり、要はBPR的なものを想定されたいということなのだろうが、その実は合理化や事業や業態の転換である)。