アマゾン・ドット・コムはマーケットプレイス、つまりインターネット空間の市場を運営する企業だ。世界中の無数の企業や個人が、アマゾン市場で商いを営んでいる。これら出店者を戦慄させる本音を、アマゾン幹部が社内で吐露していた。特集『世界が変わる GAFA解体指令』(全11回)の#4では、出店者に対するアマゾンの本音、振る舞いに迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
「地球上で最も豊富な品ぞろえ」のアマゾンで
商品を上位に表示させる方法とは?
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの人が在宅を余儀なくされた。インターネット通販の利用が急拡大する中、業界の世界的ガリバーである米アマゾン・ドット・コムも暮らしに欠かせない存在として改めて注目された。
アマゾンの有料サービス、プライム会員に加入すれば、あらゆる商品が最速で注文したその日に届く(国・地域による)。その品ぞろえは書籍に始まり、トイレットペーパーなどの生活必需品、食料品、家電など幅広い。
「地球上で最も豊富」とアマゾンが自称するこの品ぞろえを支えているのは、アマゾンのマーケットプレイスに出品するサードパーティーの出店者たちだ。その数は、世界で230万件を超える。
出店者にとって、アマゾンの画面上で自社の商品がどう表示されるかは、販売を左右する生命線。どうすればアマゾン上でより上位に、より目立つように表示されるのか?出店者が喉から手が出るほど欲しい「アマゾン攻略法」の一端が、米議会下院司法委員会反トラスト法小委員会が10月に公開した報告書につづられている。
GAFA解体指令書――上述の報告書を、本特集ではこう呼んでいる。報告書がGAFA(米グーグル、米アップル、米フェイスブック、アマゾン)4社の解体を提言する内容だからだ。この報告書は興味深いことに、4社の「もうけの手練手管」を詳らかにしたビジネスの教科書でもある。ここに描かれたアマゾンの実態とはどのようなものか?