日本銀行の「インフレ率2%目標」とラーメンやそば、カレー、餃子などB級グルメの価格の変化を見比べると、「理想と現実」のギャップがよく分かる
日本銀行の「インフレ率2%目標」とラーメンやそば、カレー、餃子などB級グルメの価格の変化を見比べると、「理想と現実」のギャップがよく分かる Photo:PIXTA

筆者は、出張や旅行の際に外食の価格をチェックするのを趣味の一つとしている。そこで今回は、B級グルメやご当地グルメ、名物スイーツについて、1999年から現在までの22年間の価格変化に関する日米の調査結果を発表したい。そこから透けて見えてくるのは、日本が「先進国における低賃金国」であるという事実だ。(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)

B級グルメの22年間の価格増減率に見る
インフレ率2%目標の意味

 日本銀行は2013年以来、2%のインフレ率(物価が毎年2%ずつ上がっていく状態)の実現を目指して超金融緩和策を実施してきた。同政策は間もなく9年目に入る。しかし、目標は依然として遠いところにある。

 先日発表された金融政策の「点検」結果に基づいて微修正された現行政策を粘り強く継続していけば目標は達成されると日銀は説明している。しかし、その言葉にはむなしさが漂っている。

 日銀は目標達成時期の見通しを、16年夏までは何度も後ろにずらして発表してきたが、その後はやめてしまった。今回も達成時期を示すことができていない。

 日銀は今回、10年国債金利の変動許容幅を「プラスマイナス0.25%」と明確にした。特にレンジの上限であるプラス0.25%に関しては、「連続指値オペ」によって死守する構えだ。レンジを従来あいまいにしてきたのは、出口政策時の混乱を心配していた面があったと推測される。

 金利引き上げが近いと予想されたときに「防衛ライン」の金利が明示されていたら、市場参加者は怒涛の勢いでその水準で保有国債を日銀に売却しようとする。その場合、日銀のバランスシートは爆発的に膨張し、出口が近いのに金融緩和が強化されるという異様な事態が起きる。

 それなのに今回「防衛ライン」がはっきりと示されたのは、インフレ率が2%に達することはかなり先まで見渡しても起きそうになく、出口が非現実的なら当面は管理しやすい手法でいこう、という割り切りなのだと考えられる。

 ところで筆者は、出張や旅行の際に外食の価格をチェックするのを趣味の一つとしている(変な趣味とお思いでしょうが)。これまでも本連載に同調査結果を何度か記してきたが、ここであらためて、1999年から現在までのB級グルメ、ご当地グルメ、名物スイーツの22年間の価格変化(消費税を除く)を示してみよう。

 ちなみに、もし日銀が望むように物価が毎年2%ずつ上昇し続ける場合、22年間の上昇幅は約55%になる。