一方で、大型トラック部門でスウェーデン・ボルボトラックとの提携を19年に締結するとともに、国内の大型トラック専業のUDトラックスの買収を決めている。これにより、6月までにいすゞとUDトラックスは統合する予定となっている。

 いすゞは、GMとの長期提携の中でGMグループの中・大型トラックと小型トラックに、いすゞでいうLCV(ピックアップトラックおよび派生車)でディーゼルエンジン技術を磨いてきた。

 GMとの資本提携解消後も、GMには技術供給を続けてきたが、大型トラック領域ではボルボとの提携を生かし、小型トラック・LCVの電動化を中心とする。そして、CASE対応では、トヨタ・日野連合と連携・協業する戦略を使い分けていく、ということになる。

商用車の電動車化も
「待ったなし」の状態

 商用車の電動車化については、菅政権のカーボンニュートラル実現宣言に対応して、乗用車は30年代半ばまでに電動車に切り替えるという目標に続き、6月までに決まる見通しとなっている。

 商用車の電動化も待ったなしとなっているが、商用車は航続距離や車体重量と積載効率という面から乗用車のような電動化は難しいとされてきた。いすゞは小型トラック部門でエルフに代表される小型トラックとともに、タイで高い販売シェアを持つピックアップトラックが収益源でもあり、この領域でトヨタのCASE技術活用をもくろむ。事実、会見でもトヨタの自動運転EV「eパレット」に高い関心を寄せる発言を示していた。

 一方で、大型トラック領域では、長距離輸送や重量積載という観点からEVは厳しいものがあり、FCVでホンダと提携して共同開発を進めて21年中に性能評価の実施を予定している。また、米エンジン大手のカミンズ社との提携も、カミンズが燃料電池企業を買収しており、連携していくことにしている。

 このように、いすゞは、今回のトヨタとの再資本提携だけでなく、ボルボやカミンズ、ホンダとの連携をそれぞれの領域事業で活用する多面的な提携を積極的に進める。こうした一連の策により、商用車メーカーとしての生き残りを目指していくということであろう。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)