鈴木修会長鈴木修会長にとって、2019年のトヨタとの資本提携が「最後の大仕事」となった。写真は、それ以前のトヨタとの業務提携検討発表の会見時(撮影:2016年10月12日) Photo:EPA=JIJI

「中興の祖」でカリスマ経営者
鈴木修会長が退任

 スズキは24日の会見で、鈴木修会長が6月の株主総会をもって代表取締役会長を退任し、相談役に退くと発表した。半世紀近くにわたってスズキの経営を引っ張ってきた鈴木修会長は、スズキを日本国内で「軽自動車の雄」に育て上げた。海外では、インドやハンガリーにいち早く進出し、独自のグローバル戦略で「世界のスズキ」に仕立て上げた。

 スズキの「中興の祖」で、カリスマ経営者であるのは、言うまでもない。

 その鈴木修会長がスズキの経営の第一線から退くのは、なぜか。

 まず、昨年の2020年にスズキが創立100周年を迎えたこと、それとともにトヨタとの資本提携を果たしたこと、自らが90歳の卒寿を迎えたこと。これらが「大きな区切り」となったのは確実であろう。

 ただし、昨年コロナ禍が自動車業界を直撃したことで、スズキは次の100年に向けた方向性について、新中期経営計画の見直しを進めてきた。

 明けて2021年、1月30日に修会長が91歳となったことと、4月の新年度からの5カ年新中計発表のタイミングで、いよいよ長男の俊宏社長に全権を譲ることを決断したものとみられる。