ハーバード大学レベッカ・ヘンダーソン教授は、近著『資本主義の再構築 公正で持続可能な世界をどう実現するか』でトヨタ自動車(以下トヨタ)の事例を紹介している。ヘンダーソン教授は、トヨタが優れた「パーパス・ドリブン企業」であると強調する。確固たるパーパスを持ち、行動することの意義とは何か。コロナ禍の授業で扱った事例も交えて、解説してもらった。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)

>>前編より続く

トヨタのパーパス・ドリブン経営は
何がすごいのか

トヨタが問題を抱えた子会社工場を、撤退ではなく「増強」したワケ
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佐藤 著書『資本主義の再構築 公正で持続可能な世界をどう実現するか』では、トヨタ自動車(以下トヨタ)をパーパス・ドリブン組織(自社は何を実現するために存在するのかが明確に定義されていて、全社員がその目的の実現に向けて行動している企業)の一つとして紹介しています。トヨタを取り上げた理由は何ですか。

ヘンダーソン トヨタが優れた企業であることは世界中の誰もが知っています。トヨタの事例を紹介して、いかにパーパス・ドリブン企業が世界を変えることができるかを示したいと思いました。

 トヨタは創業時から明確なパーパス(企業の存在目的)を掲げ、世界の中でもパーパス・ドリブン組織を最も長く維持している企業の一つです。トヨタウェイは全ての社員の考え方や行動の基本となっています。現在、パーパスの重要性が叫ばれ、パーパス主導で経営する企業が増えてきていますが、トヨタはまさにその先駆者と言ってもいい存在です。さらに驚くべきは、企業サイズです。