「こんまり」こと近藤麻理恵は、今や世界で最も知られる日本人の一人。彼女の世界進出を手がけてきたプロデューサーであり夫でもある私の書籍『Be Yourself』では誰もが自分らしく生きることを勧めています。今回の対談相手の澤円さんが自分らしく生きられるようになったのは、つい最近のことだというのです(詳細は「澤円が教える!「サラリーマン不向きでも自分らしく生きるコツ」)。澤さんが変われたきっかけは100%信じてくれるパートナーと出会えたからだそう(詳細は「澤円が提案!100%肯定してくれるパートナーと出会うために始めるべきこと」)。対談後編となる今回、澤さんは自分らしく生きていくうえで大切なポイントを教えてくれました。(構成:宮本恵理子)

澤円さん(写真左)と川原卓巳さん

川原卓巳さん(以下、川原):対談の中編で澤さんは、自分も他者も「べき論」でジャッジしないとおっしゃっています。

澤円さん(以下、澤):昔はこれがうまくできなくて、悩んでいた時期が長かったんです。

川原:うまくできるようになったのはいつ頃からなんですか?

:40代後半ですよ。

川原:勇気が出ますね(笑)

:出版をきっかけに、たくさんの人に向けてアウトプットするようになってから、「あ、これ自分自身にも言っているな」という自覚が芽生えたんです。

 そして、そのときに陥りやすかったのが、「自分の言葉に縛られる」という罠でした。「言ったからには、その通りにしなければ」と自分自身を縛ってしまう。

 そうならないように、「僕はいつもon going(進行形)です。道半ばです。ポンコツなのでたくさんつまずきます」と宣言しています。この「ポンコツ」というキーワードも非常に便利です。卓巳さんは自分で決めたルールに縛られる経験はないですか?

川原:僕にあったとしたら、麻理恵さんと一緒に仕事をするようになって、「こんまりメソッド」(麻理恵さんが独自に開発した片づけの手法)を世界に広めようとミッションを掲げて経営者になり、自分でなんでも方針を決めないといけない立場になってからですね。

 ただ、僕らの場合は、誰も開拓していなかった「片づけを通じてときめく人生を応援する」というロードを突き進んでいたので、ルールを考える暇もなく必死にやっていたという感覚です。

:自分たちの後ろにルールができていった感覚なんですよね。

川原:そうです。世界を最初から狙っていたわけではなくて、「世界の片づけを終わらせたい」という大きな夢に向かって一つひとつ乗り越えていった結果でしかない。

 経験上、戦略が先にないほうがうまくいくんじゃないかと僕は感じていて。目標を中途半端に決めた途端に、そこに合わせるエネルギーが出てきちゃうんです。「売上高10億円」と目標を決めた瞬間、絶対に100億円は目指せなくなる。

 だから方向性だけ決めたら、あとは一生懸命できることを誠実にやる。それしかないと思っています。今の僕らのスローガンは「Organize  the  World」です。

:わぁー、素敵。

川原:この方向に合っていれば、何をやってもよし、どこまで行ってもよしなんです。

:「達成」を目標にしていないから、どこまでも続く。すごくいいですね。サラリーマン生活の中では、どうしても会社が用意する目標を達成できるかできないかだけで、自分を評価してしまいがちです。でも、それはあくまで会社という“仕組み”の中の評価であって、人としての評価とはまったく関係がありません。そのことを忘れないでいたいなと思います。