コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、3月度のアパレル編だ。
洋服の青山の売上高が18.7%増で
「V字回復」でも素直に喜べないワケ
アパレルの主要4社が発表した3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
ユニクロ(ファーストリテイリング)の国内既存店+Eコマース売上高は、前年同月比140.2%(40.2%増)、しまむらは同124.6%(24.6%増)、ワールドの国内小売売上は同113.0%(13.0%増)、洋服の青山(青山商事)のビジネスウェア事業既存店売上高は同118.7%(18.7%増)だった。
上記の数字を見て違和感を覚えた人も多いのではないだろうか?3月は東京を含む10都府県で緊急事態宣言が延長されていた。それにもかかわらず、スーツなどのビジネスウェアが主力商品である洋服の青山が前年実績を超えており「改善」して見える。これにはデータ上のカラクリがある。