ジョー・バイデン米大統領が打ち出した2兆ドル(約215兆9600億円)の「米国雇用計画」の一部は、道路や橋、鉄道に資金が提供される。だがこれには、必要不可欠なあるインフラ基盤が完全に抜け落ちている。造船所だ。長年にわたり、米海軍の艦船数を296隻から355隻に増やすべきという超党派のコンセンサスができている。だが、より強大な海軍には、そうした艦船を建造し整備するための造船所が必要だ。第2次世界大戦中、米国には乾ドックや修理施設を備えた大規模な海軍の造船所が10カ所あった。民間の乾ドックも40基余り存在した。現在、海軍の造船所はハワイ、メーン、バージニア、ワシントン各州の4カ所のみだ。筆者の計算では、海軍の認定を受けている民間施設は20カ所もない。
【寄稿】米インフラ計画に軍事的落とし穴
海軍艦船を整備する施設がなければ、中国を利する恐れ
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