アパレル業界で「サステナビリティ」(持続可能性)がバズワードのように喧伝されている。これを「環境に優しい素材を使う」というあいまいな言葉でお茶を濁す企業も多いが、実際はビジネスモデルの根幹を揺るがす非常にシビアな問題になりそうだ。特集『アパレル 知られざる「サステナ淘汰」』では、5月3日(月)から5月11日(火)までの全8回にわたり、アパレル企業に迫る「サステナ淘汰」の現実をレポートする。(ダイヤモンド編集部・相馬留美)
#1 5月3日(月)
ユニクロの「商社外し」は序章、ファストリがアパレル供給網“大淘汰”の号砲
「サステナビリティは正しさの追求」と示したのはファーストリテイリングの柳井正会長兼社長だ。大量生産・大量廃棄を見直す「持続可能性」という錦の御旗の下、ファストリはサプライチェーンの再構築にかじを切った。「正しさ」を求められ、全てのアパレルに「サステナビリティ」という重いかせが加わるとき、新たな淘汰の幕開けとなるだろう。
#2 5月4日(火)配信
アパレルの供給網が食品に劣る上に環境に悪い理由、衣類の廃棄は年間51万トン
食品であれば、その商品が遺伝子組み換え食品か、産地国や製造工場がどこにあるのかなど、トレーサビリティーがはっきりしているものだ。しかし、今自分が着ている服がどの国から来た素材で作られたものかはよく分からない。これは、服の生産に関わる工程が複雑怪奇であるからだ。アパレルのサプライチェーンから、なぜサステナビリティの取り組みが進まないのかを解説する。
#3 5月5日(水)配信
アパレル界で「バッタ屋2.0」大暴れ!月100万着の服を買い漁る猛者が生まれた理由
日本では衣料品の生産量は需要の2倍あるといわれている。では、余った服はどこに行くのか。また、捨てられる服はどうなるのか。循環型社会の中で、アパレルの新たなビジネスチャンスが生まれているようだ。
#4 5月6日(木)配信
無印良品とユニクロで供給網の透明性に「格差」、中国ウイグル産綿花問題に見る現実
オーガニックコットンや再生素材の活用を積極的に行っていると発信している無印良品。しかし運営元の良品計画は、サプライチェーンをユニクロほど明確にはせず、総合商社の力も存分に使う。無印良品の目指す「サステナビリティ」の姿とは。
#5 5月7日(金)配信
アパレルのタブー「長く着られる服」でベンチャー参戦!大量生産・大量消費と決別
大量生産・大量消費というアパレルのビジネスモデルを脱した企業も現れている。リユースやリサイクルだけでなく、素材や生産、販売手法まで異なり、規模も小さい。彼らのやり方から、アパレルのサステナビリティについて考える。
#6 5月8日(土)配信
ユニクロでも世界標準の「平均点」、環境問題対応が迫る日本アパレルの淘汰リスク
「日本企業は遅れている」――グローバル企業と取引のあるサプライヤーはそう口をそろえる。サステナビリティのグローバルスタンダードのレベルは年々上昇し、日本企業の多くは対応し切れていない。しかし、その基準に追い付かねば、日本の繊維産業は世界で戦えなくなる危機すら生じているのだ。
#7 5月9日(日)配信
小泉進次郎・環境相が語る、アパレルの川上から川下まで集めて環境問題を扱う理由
2020年9月、環境省は「ファッションと環境」タスクフォースを立ち上げた。サステナブルなファッションの促進と環境負荷の透明性の向上に取り組む小泉進次郎環境大臣に、日本のアパレルの課題と国としての方針を聞く。
#8 5月11日(火)配信
【動画】小泉進次郎氏が語る、アパレルの環境問題を巡る国の本気度と環境省の野望
環境省のタスクフォースは、アパレル業界のサステナビリティ問題において川上から川下まで横串を通して巻き込んだ初の取り組みだ。アパレルを含む繊維業界が国に求めることとは。小泉進次郎環境大臣のインタビュー動画と共に、新しい淘汰の予兆に迫る。
Key Visual by Noriyo Shinoda