写真提供:shoichi

日本では衣料品の生産量は需要の2倍だといわれている。では、余った服はどこに行くのか。捨てられる服はどうなるのか。特集『アパレル 知られざる「サステナ淘汰」』(全8回)の#3では、循環型社会の中で、新たに生まれたアパレルのビジネスチャンスを追う。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

月100万着の衣類をさばく
「バッタ屋2.0」の世界

「1万着買い取ったときに、『おまえしかおらん』と言われた。そういうのが一番うれしいね」

 そう話すと、鋭い眼光が一瞬緩んだ。彼はshoichiの山本昌一代表だ。同社は在庫処分業、いわゆる“バッタ屋”である。

 バッタ屋とは、正規の流通ルート以外で仕入れた商品を安売りする業者を指す。簡単に説明すると、アパレル企業などで売れ残った在庫を安価に仕入れ、転売して利鞘を稼ぐビジネスだ。

 コロナ禍で多くのアパレル企業が苦境にあえぎ、在庫が急増。これを追い風にバッタ屋が勢力を急拡大させている。

 shoichiの場合、在庫の買い取り額は店頭価格の1割程度。そして20~30%ほどのマージンを乗せて取引先に販売するという。販売先はさまざまで、場合によってはベトナムやマレーシア、インドなど海外に売ることもあるという。

 従来のバッタ屋は規模が小さく、つながりの強い地方の小売店のオーナーに右から左に流す業者が大半だった。規模が小さいため買い取る量も限られ、さほどもうからない。こうしてバッタ屋の数は減っていったという。

 山本氏はそこに勝機を見いだし、リスクを取って在庫を買い集めた。

 2005年の創業以来、他のバッタ屋が撤退する中で同社の存在感は格段に増し、業界トップにのし上がった。同社に流れてくる在庫品は月100万着に達し、今では売上高は20億円を超えるまでに成長した。