アパレルサステナ淘汰#2
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食品であれば、その商品が遺伝子組み換え食品か、産地国や製造工場がどこにあるのかなど、トレーサビリティーがはっきりしている。しかし、今自分が着ている服がどの国から来た素材で作られたものかはよく分からない。これは、服の生産に関わる工程が複雑怪奇であるからだ。特集『アパレル 知られざる「サステナ淘汰」』(全8回)の#2では、アパレルのサプライチェーンから、なぜサステナビリティの取り組みが進まないのかを解説する。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

アパレルが食品よりはるかに遅れる
製造や流通の履歴の把握

「畑から生地作り、最終製品までつながることがビジネスの在り方として一番美しい。われわれはその副産物として、トレーサビリティーが全て取れている」

 こう胸を張るのは、オーガニックコットンを専門に取り扱うパノコトレーディングの三保真吾氏だ。取引先のスイスのリーメイは、契約先の綿花の農場の収穫物を5年間にわたって全量買い取るなど、持続可能なオーガニックコットン生産のプロジェクトに取り組み中だ。パノコもそのプロジェクトに参画し、生地や製品を販売している。同社の製品は、農場から生地までの、調達や加工の各工程の履歴を全て追えるようになっている。

 食品であれば、素材が収穫された畑の生産者情報などを消費者が把握することができる仕組みは一般的だ。しかし、日本のアパレル業界の場合、このように服の製造や流通の履歴を追えること自体が非常に珍しい。

 その理由は、長いサプライチェーンの中で水平分業が行われているからだ。