オーガニックコットンや再生素材の活用を積極的に行っていると発信する無印良品。しかし運営元の良品計画は、サプライチェーンの実態をユニクロほど明確にはせず、総合商社の力も存分に使う。特集『アパレル 知られざる「サステナ淘汰」』(全8回)の#4では、無印良品の目指す「サステナビリティ」の姿をあぶり出す。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)
中国ウイグル産綿花が世界のアパレルの大問題に
無印良品は「監査で違反なし」と発表
中国北西部の新疆ウイグル自治区で生産された綿製品が、世界のアパレル企業の頭を悩ませている。ウイグルでの強制労働問題を受けて取り扱いをやめるなどの措置を取った企業に対し、服の一大市場である中国が反発し、不買運動に発展しているからだ。
そんな中、良品計画は4月14日、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」と題したリリースを発表し、こう“潔白”を主張した。
「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っています。これまでの監査において、法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認しておりません」――。
新疆ウイグル自治区は「新疆綿」と呼ばれる世界有数の綿産地だ。2020年12月、ウイグル人や少数民族の強制労働が行われているという報告書を米シンクタンクが発表。そして強制労働があるとされる工場の取引先リストに、世界のアパレル企業が多数入っていた。そのうち日本企業で名を連ねていたのが、ファーストリテイリングと無印良品である。