環境省のタスクフォースは、ファッション業界のサステナビリティ問題において川上から川下まで横串を通して巻き込んだ初の取り組みだ。政府がアパレルを含む繊維業界に求めることとは。環境省はどこまで本気なのか。特集『アパレルサステナ淘汰』(全8回)の最終回は、小泉進次郎環境大臣のインタビュー動画で本音に迫る。(ダイヤモンド編集部 久保田剛史、相馬留美)
環境省の「20%ルール」で生まれたタスクフォース
ファッションと環境問題に総力戦で取り組む
2020年7月のレジ袋有料化の次は、いったい何をしようとしているのか――。
小泉進次郎環境大臣が20年8月、ファッション産業界との意見交換会を開催したことを契機に、「ファッションと環境」がにわかに注目を集めた。そして同年9月には環境省の「ファッションと環境」タスクフォースが発足した。
タスクフォースのメンバーは、環境省が試行的に実施した「霞が関版20%ルール」で集まったという。業務時間の20%までを、担当業務以外の環境政策に寄与する活動に使うことができる仕組みだ。リーダーの岡野隆宏氏の“本業”は、自然環境局の温泉地保護利用推進室長である。他のメンバーも、通常業務は熱中症対策や副大臣の秘書官などさまざまだ。
環境省は“問題解決型”の組織で、通常はそれぞれの問題ごとに担当者が配置される。しかし、「ファッションの環境汚染」は海洋や大気汚染、廃棄やリサイクルなど問題が多岐にわたる。部門横断的なチームによる総力戦で取り組むことからも、環境省の意気込みが伝わってくる。
タスクフォースのメンバーが小泉大臣と顔を合わせる機会も多く、「今までどの大臣ともこんなに話したことはない」(岡野氏)というほどの頻度のようだ。それだけ小泉大臣も目をかけている証しだろう。
小泉大臣とタスクフォースの取り組みは、アパレルを含むファッション業界を、大量生産・大量廃棄という従来型のビジネスから脱却させるきっかけになるのだろうか。政府や環境省はどこまで本気なのか。
インタビューで、クールビズに次ぐキャッチフレーズの募集を呼び掛けた小泉大臣。動画は小泉大臣の次の一手を読み解くヒントになるだろう。