有利な融資を受けることがいかに大切か、
それこそがメガ大家への道のひとつ

 2次会、3次会と懇親会が進む中、だんだんと人が少なくなってゆき、最後は30名ほどのグループとなったのだが、そのグループがとんでもない集団だったのだ。

 メガ大家、いわゆる総投資額10億円超えがグループの大半を占めるというお仲間同士で、若輩ものの僕も恐る恐る飛び込んだ。

 今自分が行おうとしている神楽坂の新築物件投資の話をシェアさせていただき、アドバイスを求めた。すると、メガ大家の一人K氏から、真っ先に「もったいない!」という声が上がった。この事業性ならスルガ銀行からではなく、間違いなく準都市銀行から素晴らしい融資が受けられるはずなのに、もったいない! という意味だった。

 そして、有利な融資を準都市銀行や都市銀行から受けることが、いかに大切で、それこそがメガ大家への道のひとつでもあることを教えてくれた。

 K氏は僕の熱意を買ってくれて、何と翌日に今でもメインバンクであるりそな銀行の担当者を紹介してくれた。銀行はメガ大家からの紹介であれば、まったくと言っていいほど態度が違う。

 それはメガ大家が人を銀行に紹介する前に、すでにその人の与信背景と物件の事業性を、瞬時にスクリーニングしているからだと後でわかった。

 ほどなくして、りそな銀行から素晴らしい条件の融資が獲得でき、メガ大家からの教え通り、メガ大家への仲間入りのための第一歩を踏み出すことができた。

 以下に、僕が10人以上のメガ大家から受けた教えを少しシェアしておきたい。

その1 まずは「気合い」で今はじめる
その2 融資は何が何でも、良い融資を受ける。そのために紹介を活用する
その3 窓際族でもいいからサラリーマンとして会社にいる間にローンを組みまくれ
その4 鉄筋コンクリート造か重量鉄骨造といった担保性の高い構造形式にこだわれ
その5 売却を交ぜて加速させる
その6 法人を活用せよ。節税の幅がまったく違う
その7 OPMの活用とTTPしまくれ:OPMはOther People's Moneyの略。TTPは徹底的にパクる(Tettei-Tekini-Pakuru)、つまりいいものは、とことん吸収して活用すること

 K氏からの紹介なくしては今の自分もあり得ない。表舞台にはあえて出ない方なので、イニシャルのみの紹介とさせていただき、初心を忘れないためにも感謝の念を本書で残しておきたい。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。