「運がよくなりたい」「いい人に巡り合いたい」「幸せな人生を送りたい」、誰もが願うことだろう。2021年3月31日、2021年に1回しか来ない、最強の運気アップの日に発売された『SHOCK EYEの強運思考』は発売即重版。テレビ、新聞、ラジオ等幅広く紹介され、早くも話題沸騰の一冊。本書は、著者である湘南乃風のメンバー・SHOCK EYE氏による強運を引き寄せる思考法がまとめられている。
人によっては、不幸、マイナス、ネガティブに映ることでも、自分がそう思わないなら、それが絶対に正しい。今すぐ答えを求めないことで、いくらでも未来は変えられる。

大人から注意された「弱点」が武器としての「個性」に変わる瞬間撮影/菊地英二

「視野が広い」か「視野が狭い」か。
磨き方次第で、どっちも自分の武器になる

「性格を変えたい」「コンプレックスを解消したい」、そんな声が聞こえてくることがある。でも、本当に直さなきゃいけないのかな? 見方を変えれば、その個性が自分の武器になることだってあるはずだ。僕は、自分自身の経験からそんなふうに感じている。

 自分の性格を語るうえで、「鈍感さ」は欠かせない要素だ。

 僕をジャマイカに誘ったテラシーを筆頭に、僕を古くから知る仲間は「ショックはハートが強いから、タフだから」って言ってくれるけど、それは鈍感さでもあった。

 夢を追いかけていて、普通だったら諦めてしまうような場面でも、僕は鈍感だから気づかずに「このままいったらヤバい」って場面でも全力で走り続けられた。行けるとか、行けないとかは、まったく考えない。ただただ目の前のことに夢中になる。

 何にでものめり込んでしまうのは子ども時代から変わらない。

 大人からは、両手を顔の横に置いて前後に動かす、視野を遮るようなジェスチャーで「お前はこれだからな」と言われ、視野の狭さを注意され続けてきた。

 もしも僕がそんな子どもの親だったら、周りが見えなくなるのも才能だと考えて、夢中になれるものを与え、能力を伸ばしていってあげるだろう。何の損得も考えず、目の前のものにハマれるのはひとつの才能だ。集中力が高いとも言える。そんな個性を磨いていけば、一点突破でエネルギーを注げるっていう長所が育つ。「直しなさい」って言われて苦しむ必要もなくなる。

 その逆に、視野が広くて、いろんな気配りができる子は、人を掌握するとか、そういう方面で才能を磨いていけばいい。それだって天賦の才だと言えるだろう。

 周りが見えなくなるのも、周りがよく見えるのも、どちらの個性だって磨き方次第で人から認められる才能になる。

 僕は、集中しやすいとか、のめり込めるっていう部分をずっと失わずにやってきた。

 目の前のことに夢中になれるのは僕の才能だと思うし、それが周囲を気にせずに突っ走る鈍感力にもつながったと思っている。

 2013年8月のライブ「十周年記念 横浜スタジアム伝説」で、僕は15歳の頃にまさにこの球場でボール拾いのアルバイトをした過去を振り返りながら、こんなMCもした。

何の才能も、何の個性もなかった俺
何のスキルもないけど
あのときからいまの自分が何も変わってないことがあるとしたら
なんだろう……鈍感なところ
自分の夢信じてたし、自分の仲間信じてたし
いつもいつも、ケンカとかするけど、いつも信じてた
むかついたら気持ちぶつけて
気持ちぶつけられたら応えて
そうやって一歩一歩、一歩一歩、一歩一歩
みんなで歩んできたら……このステージに立ってるぞ!
やればできる、願いはかなう

 何の準備もせず、即興でしゃべったことだったけど、考えていることは当時もいまもまったく変わらない。

 ただ振り返ってみて思うのは、僕が思う鈍感っていうのは、知識や世間の常識、普通の人の予測に対しての感度が鈍いってこと。一方ではめちゃめちゃ敏感に自分の直感にしたがって行動していた。直感を信じてなかったら、レゲエのことがまだよくわからないのに、「誘われたから」っていう理由だけでジャマイカに行ったりしないと思う。

 自分の鈍感さを「ハートが強いね」「タフだね」と言ってくれる人たちが近くにいてくれたのが、僕にとってはものすごく幸運だった。「あいつは人の心がわからない」「冷たい人間だ」「人でなしだ」って思うような人に囲まれていたら、僕はいまみたいな考え方をする人間になっていない。

凶器として使うのか、道具として使うのか

 包丁を凶器として使うのか、料理を作って人を喜ばせる道具にするのかは自分次第だ。若い頃の僕は、包丁の使い方がわからなくて、振り回して、人を傷つけたりしていたんだと思う。でも「そんなに切れ味の鋭い刃を持っているんだったら料理に使ってみなさい」「何かを削って違うものを作る道具にしなさい」って気づかせてもらえて、僕の手にあった包丁は凶器じゃなくなった。

 僕が「鈍感さ」を生かして突っ走れたのは、自分のキャラクターを理解してくれて、うれしい言葉をかけてくれる仲間が一緒だったからだ。もしも周りから、悪い性格だととらえられていたら、僕はせっかくの個性を「直そう、直そう」としていただろう。

「鈍感さ」はよくない要素ととらえられがちだ。でも、マイナスにとらえられがちなことでもプラスに変えられることを身をもって証明してきた。みんなにもできるはず。とらえ方次第でこんなにも前向きになれる。