ユニクロ・GUでもはや見慣れたセルフレジだが、まだ特許侵害訴訟は継続中だ。ファーストリテイリングは、取引企業が出願したセルフレジに関する特許を「無効だ」と訴えており、5月20日に知財高裁で判決が下される。訴訟費用を苦にした取引企業は特許を別会社に譲渡しており、大企業有利な特許制度の弊害が表れている。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)
ファストリは「特許庁の審決は無効」と主張
セルフレジ特許訴訟の舞台は知財高裁へ
商品をレジ横の指定された場所に置くだけで、すぐに合計金額が分かって会計できる――。
今や中国のユニクロの店舗でも広く使用されるようになったセルフレジ。導入が進んだ日本ではもはやお馴染みの光景になったが、実はセルフレジの特許侵害を巡る訴訟は今も継続中だ。
ファーストリテイリングの取引先だったアスタリスクは、ユニクロやGUのセルフレジが特許を侵害しているとファストリを提訴。一方、ファストリは特許そのものが無効であると特許庁に訴えた。
この特許について特許庁は2020年8月、一部の特許を認めると審決した。これに対し、ファストリは審決の取り消しを求めて知的財産高等裁判所(知財高裁)に訴訟を提起した。この注目の判決が、5月20日に下される。