現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
20万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
みんな「スマホネイティブ」なだけ
――ネットが当たり前のように使える「デジタルネイティブ」について、どう思いますか?
ひろゆき氏:平成生まれ以降がいわゆるデジタルネイティブの世代だと言われているんですけど、それって、「スマホに馴染んでいるだけ」なんですよね。種岡さん(インタビュアー)のまわりって、どうです?
――私が1988年生まれの世代なんですけど、パソコンが得意というより、確かにスマホが使いこなせるだけかも……
ひろゆき氏:そうですよね。パソコンスキルに関して言えば、それよりも上の、僕たちのような世代のほうが得意なんだと思います。今って、大学のレポートもスマホで書いちゃう学生が多いらしいんですね。
というより、パソコンを家に持っていなくて、日常ではスマホを使って、いざというときだけ大学のパソコンルームを使って作業しているんですよ。
――全員ではないかもしれませんが、そういう学生も多そうですよね。
ひろゆき氏:パソコンを使いこなすより、スマホでアプリを見つけてそれで間に合わせるほうがラクですからね。そういう学生が就職した途端にパソコンスキルが必要になって慌てて勉強しているという……。会社に入って、ようやく資料作成とかプログラムを触ったりとかをするわけです。これって果たして「ネイティブ」と言えるんですかね?
スマホって、「消費のためのデバイス」として最適なんですよね。ゲームに課金したり、サイトで衝動買いするのに便利なんですよ。スティーブ・ジョブズが自分の子にはiPhoneやiPadを与えなかった話は有名ですけど、それはやはり搾取する側ではなく搾取される側に回ってしまうおそれがあることを専門家たちは熟知していたからなんですよね。
「SNS」を見すぎじゃないか?
――SNSにたくさんの時間を使っていることはどう思いますか?
ひろゆき氏:僕のように、SNSをオープンな発信場所として使って、不特定多数の情報に触れる人って、おそらく少数派ですよね。多くは、匿名で鍵アカを作って、自分の知り合いとか、ファンの芸能人の情報だけを見ている人がほとんどです。
それって、かなり偏った状態で、インターネットの恩恵にあずかっていないわけです。かなり限られた情報だけを見て、「これが普通だ」と認識してしまうおそれがあります。
普段、触れることのない人のことを見たり、興味のないことを知るきっかけになったり。そういった主体的に情報を取っていく人は、かなり特殊な人しかやっていないんですよね。
――どういう使い方をすればいいんでしょうか?
ひろゆき氏:おすすめは、海外のニュースを見ることです。日本のニュースであっても、海外で報じられている英語版を翻訳して読んだりするといいと思います。
もしくは、そういった情報を積極的にシェアしている人をフォローすることですね。逆に、プライベートなことや日常生活を発信しているような日本の芸能人はフォローを外すといいでしょう。日常を切り売りしてファンを増やす芸能人って多いですけど、それってかなり「どうでもいい情報」です。ファン同士のコミュニティでしか消費できず、日常の雑談のネタにすらならないですからね。
――個人の情報発信は、どういう形ですればいいんですかね?
ひろゆき氏:一周まわって「ブログ」が一番いいと思いますよ。たくさんのテキストを書こうと思うと、やはり独自の情報とか視点を加えざるを得なくなります。それって、コンテンツになりえますからね。
もちろん、映像や音声での発信でもいいと思います。大事なのは、たんなる短い「反応」じゃないことです。SNSだと「クソだ」「ウケる」「意味わからん」とか、「反応」だけで発信が可能だと思うんですけど、それは一瞬の娯楽であればいいんですが、日常的にやる情報発信ではないわけです。
ちゃんと腰を据えて自分なりに考えて、その思考の過程を見せることこそが、正しい情報発信の方法だと思いますよ。2ちゃんねるとかニコ動をやった人の意見として正しいのかはわかりませんが(笑)。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。