テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
16万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、さらにひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
YouTubeはワンチャン稼げるのか?
――YouTubeで一発逆転みたいなことを狙っている人、増えてますよね?
ひろゆき氏:そうですね。まあ、無理なんですけどね(笑)。
YouTubeの仕様だと、1000人以上の登録者数がないと、収益化できないんですよね。だから、「たまたま1個の動画がすげえバズって当たりました!」となっても、もともと登録者数が少ない人は収益化できていないわけです。
――ムダに再生数が多かっただけになるんですね。
ひろゆき氏:それで登録者数が1000人を超えて、次につながればいいですけどね。
でも、そんなに何発も当てられる人って、元から優秀な人なんで。何をやってもうまくいっている人ですからね。
――それって、身近に感じたことが何かありますか?
ひろゆき氏:ニコニコ動画のときに感じたことなんですが、はじめて5~6年くらいが経ったときに、「新人が出てこない問題」っていうのがあったんですよ。
サービスがはじまって、最初はみんな見たことないから何をやっても目新しく感じるんですけど、そのうち、人が思いつくことはやり尽くされるわけで。
――なるほど。他のメディアでも同じことが言えそうです。
ひろゆき氏:テレビや本も、そんなに斬新な企画ってポンポン出てこないですよね。昔からやり尽くされていることを、なんとか新しく見せているだけで。
誰も思いついてないことを見つけるって、相当ハードルが高いんですよね。
――1つ何かがヒットすれば、後追いも増えますよね。
ひろゆき氏:後追いのものって、やっぱりオリジナルを超えないですしね。
逆に、うまくいったパターンだと、ニコニコ動画ではあまりヒットしなかった「釣りだけをしている動画」ってのが、YouTubeだと当たりましたよね。
――そうなんですね。
ひろゆき氏:そうそう。「釣り」って、ニコニコ動画でコメントをどんどん流しても、そんなにおもしろくないんですよ。ただ、釣りの動画をぼーっと見てたい層が世の中にいて、そういう人がニコニコからYouTubeに移ったらうまくいった。
でも、その人だって、前からずーっと飽きずにコツコツと釣りの動画を上げていって、それがたまたま花開いただけなので。単発で動画を上げて、いきなり大ヒットするような話ではないですよね。
――これからYouTubeをはじめる人に何かアドバイスありますか?
ひろゆき氏:うーんと。動画の編集そのものの仕事は増えているんですよね。そういう意味では、ある程度、質の高いものをコツコツ作っていると、仮に登録者数が増えなくても、もしかしたら「うちの編集をお願いできませんか?」という依頼が来るかもしれませんね。
作業はめんどくさいですが、アーティスト的なセンスが必要なわけではないので、コツコツやることですよ。ちょっとずつ時間をかければ、誰でもできますから。あとは収益なんて忘れて趣味として続けるだけです。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、16万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。