コロナ前に忘れられていたホテル投資のリスク、くみ取るべき教訓は写真はイメージです Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたホテル業界。ワクチン接種でいずれ需要は回復するだろう。だが今回の大打撃によって見えた教訓もある。投資のあり方や契約形態について見直すべき点を解説する。(CBRE Hotels ディレクター 土屋 潔)

インバウンド需要はいずれ戻り、増える
国内の観光需要にも期待

 新型コロナウイルスの感染拡大で、国内では急ピッチでワクチン接種が進んでいます。ただ欧米と比べればその水準はまだまだ低い状態です。

 それでもいずれは欧米並みにワクチン接種が進み、海外でも感染収束が見込めれば、日本でもまずはビジネス目的の出入国の緩和が広がり、いずれは観光目的も可能となるでしょう。

 つまり、コロナ前まで日本の観光・ホテル業界を盛り上げたインバウンド需要が戻ってくることになります。

 しかし、昨年春のコロナ禍のような予測の難しいリスクに対し、ホテル市場や投資家の備えは、必ずしも十分ではありませんでした。今後、国内やインバウンドの観光需要が回復に向かうとしても、コロナ禍の教訓からさまざまな変化が見込まれることになるでしょう。