医療保険に加入する前に健康保険について学ぼう

 さまざまな医療保険も熱心に売られているが、加入する前に、自分が加入している健康保険の内容を調べて、それでも必要だと思う場合があるならば、加入を検討すればよい。

 特に重要なのは、健康保険の高額療養費制度である。治療費がどれほど高額になっても、自己負担額には上限が設けられており、その上限もそれほど高くないので、医療費が払えなくて困窮するといったことは通常、考えにくいのである。

 金融資産がほとんどなくて、その上限さえも払えないという場合には医療保険が必要なのかもしれないが、その場合には治療費が払えなくなる可能性よりも、医療保険の保険料が払えないという心配の方が大きいだろう。

 したがって、最低必要な医療を受けるだけであれば、医療保険は原則不要であろう。差額ベッドの費用を保険で賄いたい、といった個別の事情があれば別だが、その場合にも「保険は確率を考えれば損な契約である」としっかり認識した上で、それでも加入すべきかを慎重に検討するべきだ。