保健所との連携を進言した局長を更迭
女性知事による「女性登用」の残念な末路

第一の悪政 人事権を振りかざす恐怖政治

 都庁内部の人事権を掌握するのはもちろん、トップの都知事だ。だが、私利私欲のために強権を振るうことを許されているわけではない。あくまで都民のために行使されなければならない。

 ところが、小池知事は自分の意に沿わない局長をいとも簡単に飛ばす一方で、自分に忠誠を尽くす幹部を極端なまでに重用してきた。

 確かに歴代知事も、自分の好き嫌いで副知事などの人事を私物化していたのは事実である。だが、小池知事の場合、その度合いが尋常ではない。

 例えば、コロナ拡大の第1波の時、対策の陣頭指揮を執っていた内藤淳福祉保健局長を突如更迭した。区の保健所との連携強化を進言した局長に対して「だったら、あなたが保健所に行けばいいじゃない」と知事が言い放ったなどと、庁内には、まことしやかな噂が広まった。

 他にも、事業執行上のミスを報告するのが遅れた、都議会自民党に情報を流したといった不確かな理由で何人もの局長が左遷の憂き目を見ている。まさに“女帝様”のやりたい放題である。

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第二の悪政 女性登用という名の女性蔑視

 小池知事1期目のウリは、なんといっても「男社会に立ち向かう女性戦士」というイメージを醸成したことだった。幹部人事でも、女性管理職の積極的な登用を進めた。埋もれた人材を次々と抜擢したように見え、都庁内には驚きの声が漏れた。

 だが、メッキはすぐに剥がれた。都庁でも一、二を争う枢要部長ポストに、その分野が未経験の女性管理職を他局から異動させたが、案の定、まったく機能せず、1年で異動となった。そうかと思えば、知事肝いりの事業を仕切るポストに女性管理職を就けたまではよかったものの、彼女がいわゆる“パワハラ上司”であることが判明し、すぐに出先機関に追いやった。

 何かにつけて女性の味方を標榜する小池知事だが、内実は女性管理職を自分の手駒としか考えず、自分の見栄えのために動かしているにすぎない。彼女たち自身の人材育成やキャリアプランを考えることなど、さらさらないのである。

 要するに、小池知事が掲げる“女性活躍”による最大の被害者は、誰あろう女性自身なのだ。女性の立場を身勝手に操る小池知事の詐術に、特に女性の方々はだまされてはいけない。