被害回復は難しいと伝えると、怪しいと分かっているのに、二次被害を狙う詐欺師に依頼したいと言われたこともあります。「取り返せる可能性がないわけではないですよね」と言うので、回答に困ってしまいました。実際、可能性がないわけではありません。しかし、このときは我々は覚悟を持って、「0％です。ネット詐欺だと思います」と回答しました。
詐欺被害者をターゲットにする二重詐欺も行われています（画面はイメージです） Photo by Tomonori Yanagiya
国際ロマンス詐欺は事例を知っていれば、金銭を要求された段階で認識できます。問題は、そこまでは詐欺だと断言できないのが難しいところです。DLISへも、これは詐欺ですか？ といった問い合わせが来ますが、金を要求されていない段階ではなんともいえないのです。今後も新しい口実が出てくることもあり得ます。
こうだから詐欺、こうであれば詐欺ではない、と決めつけるのではなく、デジタルリテラシーを向上させ、全体を見て判断できるようにならなければいけません。みんなで情報を共有し、みんなでネット詐欺の被害を減らしていきましょう。
