日本ではまだ国際ロマンス詐欺の統計がないのですが、FTC(米連邦取引委員会)のレポートによると、2019年の被害総額は2億200万ドルで、2020年は3億400万ドルと1.5倍に増えています。2016年からは被害総額は4倍になりました。

 20代からの報告が急増していますが、最も被害に遭っているのは40~69歳で、1件当たりの被害金額が最も大きかったのは、70歳以上の被害者です。そして、ニュースを見ると男性の被害も発生しているようですが、DLISに相談してこられるのは全員女性でした。

 大量の迷惑メールをバラまくネット詐欺と異なり、特定の個人をターゲットにして、手間暇かけて詐欺を仕掛けるため、被害金額が大きくなる傾向にあります。FTCの報告によると、ロマンス詐欺被害金額の中央値は2500ドル(約27万6500円)です。他のネット詐欺と比べると10倍以上なのですが、それでもちょっと安く感じます。日本の場合、貯金全額に加えて借金までターゲットにされるので、数百万円から数千万円という事例をよく見かけます。

年を追うごとにロマンス詐欺の被害が大きくなっています。画面はFTCより年を追うごとにロマンス詐欺の被害が大きくなっています  出典:連邦取引委員会