外国語やカタコトの日本語で熱烈に口説いてくる
口説き文句を並べてターゲットの心に忍び込もうとします（画面はイメージです）
きっかけはさまざまですが、SMSやLINEなどでコミュニケーションが始まったとたん、猛烈に口説いてきます。2019年頃、相談を受けたケースでは英語でした。その方も英語ができるので気軽に返信したところ、やりとりが始まりました。実際に、画面を見せてもらったのですが、毎日毎日朝晩問わず、「Wow baby u are so beautiful（ああベイビー、あなたはものすごく美しいですね！）」や「In fact u are most amazing and beautiful woman I have ever seen（本当に、あなたは僕が今まで見たことがある中で一番素晴らしくて美しい女性ですよ）」など、熱烈なメッセージを送り続けます。
日本語の場合でも、「昼食は食べましたか？」「眠くないですか？」と一日中メッセージを送ってきます。風呂に入ると言ったら、「一緒に入りましょう」とか、「一日中あなたを想っています」などとものすごいマメさでメッセージを連打してきます。
そんな会話の中に、さりげなく自分のビジネスや資産、身元についての話題も混ぜてきます。ビジネスマンとして大きな契約を取り付けたという契約書やパスポートの写真を見せてくるのです。こちらから要求したわけでもないのに送ってくるのだから、と信用してしまうのを見越しているのです。
実際のパスポート画像を入手してチェックしたところ、想像通り画像は加工されていました。写真も名前もデタラメです。ただし、その偽装は相当精度が高く、ITに詳しくないと信じてしまうレベルでした。
やりとりの過程を拝見していると、徐々に女性の心が傾いていることが伝わってきます。その頃を見計らって、「元カノに浮気をされて傷ついた過去がある」と告白し、慰めてもらうと、そこでターゲットに告白します。多くは、結婚を前提にしたプロポーズをします。
少々日本語が怪しくても、外国人なのですから違和感がありません。自分のために頑張ってくれていると思えば、ますます燃えてしまうのかもしれません。
もちろん、本気で恋をしているのですから直接会いたいことでしょう。しかし、2020年に格好の状況が生まれました。「コロナ禍なので今は我慢しよう」というわけです。そう言われては、しばらく我慢するしかありません。
口説き落とすまでの期間は数日のときもありますし、数カ月かけることもあります。1年以上もかけた事例もあり、詐欺師の行動力にあきれてしまいます。
