妻の浮気が原因で離婚。突如、5歳の息子との父子家庭になった。手元に残された全財産は90万円。定時退社で保育園へ息子を迎えに行く毎日で、残業代ゼロ。年収400万円で、カツカツの生活だった。ギリギリの節約生活で、4年で1000万円を貯め、本格的に株式投資を開始。紆余曲折を経ながらも某企業の大株主になり、資産2億円以上を築いた。その投資術を初公開。いま息子へお金と投資の話を伝授する『どん底サラリーマンが株式投資で2億円』。
DokGen流「ほっとけ投資」
小さな会社
現在の株価×発行済株式数である時価総額は、その「会社の金額」とも言える。
東京証券取引所は、時価総額の大きさと流動性で東証一部の銘柄をランキング化して、上位100位までの銘柄を「大型株」、次いで400位までの銘柄を「中型株」、それ以外を「小型株」としている。
10年、20年という長い年月をかけて成長する銘柄をターゲットに、ゆくゆくは5倍、10倍になってくれそうな銘柄に投資する。事実、自分を“ダブル億り人”にしてくれたA社は、12年間で最安値から10倍以上に成長した。
そのためには、時価総額が比較的小さな「小型株」をターゲットとするべき。なぜなら、小型株は市場の注目度が低いため割安で放置されつつも、成長性が期待できる銘柄を探しやすいからだ。
小型株のパフォーマンス(収益率)が大型株のパフォーマンスを相対的に上回る現象は「小型株効果」と呼ばれ、理論的には完全に説明できない相場の経験則となっている。
そのため、注目度が高い東証一部ではなく、東証二部や東証ジャスダックなどの銘柄が主要ターゲットになる。
実際、“億り人”を目指すプロセスでは、東証一部の銘柄はまったく見ていなかった。
大型株は一般的に高い成長性は期待できない。大きく損をする心配が少ない変わりに、大きく儲けられる可能性も低くなる。
日本の時価総額ランキングで10兆円を超えているのは、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、ソニー、キーエンス、日本電信電話の5社のみ(2021年3月24日現在)。いずれも東証一部上場企業だ。
こうしたビッグネームのように、すでに時価総額が十二分に大きい超大型株の株価が、これから10倍になることは、まず考えられない。
時価総額トップのトヨタ自動車の時価総額は26兆円を超えている(同)。
発行済株式数が変わらないと仮定すると、株価10倍になると時価総額は260兆円となる。
世界の自動車産業の市場規模は約400兆円と言われているので、世界のトヨタといえども時価総額260兆円超えは難しいことがわかる。
その点、小型株には高い将来性を秘めたお宝が眠っている。
もちろん、大きく儲けられる可能性がある半面、大きく損をするリスクもある。
どんなリスクがあるかは見極めなければいけないが、長期保有で株価10倍も夢ではない。
時価総額100億円の小型株銘柄の株価が10倍になると時価総額は1000億円。1000億円-100億円=900億円の価値を生み出すようなビジネスを生み出せばいいのだから、不可能ではない。
日本のIT産業の市場規模は約18兆円で、さらに拡大している。
これから900億円の価値を新規で生み出すことは、それほど難しいことではないのだ。