そういうと、カタリーナは、E商事の健康保険組合のサイトにアクセスして情報をチェックした。そして、ホワイトボードに数字を書きだした。

標準報酬月額平均額 44万円(給与45万円) > 41万円(組合平均)

カタリーナ 「ご主人は入社1年未満でしょ。この場合、直近の継続した標準報酬月額平均額と、E商事健保組合の前年の全被保険者における標準報酬月額平均を比べて低い方になってしまうの。つまり、41万円を基準に手当金の額が計算されるってこと」

恭子 「じゃあ、夫の場合は実際の給与よりも基準が下がってしまうということですね」

カタリーナ 「そうなるわね。でも、組合平均が41万円ってとても高い方よ。中小企業の多くが加入する協会けんぽの場合、標準報酬月額の平均額は30万円だから、もっと厳しくなるわね」

恭子 「そうですか。でも、なんでそんなややこしい仕組みになっているんでしょうね」

カタリーナ 「2016年3月までは、支給開始月の標準報酬月額の30分の1である標準報酬日額で算定していたの。でも、不正受給が問題になって、同年4月から支給開始月以前の直近12カ月の平均を計算するようになったのよ」

恭子 「いろいろとあるんですね。まぁ、もらえるだけありがたいです。どうやって申請するのでしょうか?」

カタリーナ 「会社から案内があるかもしれないけれど、健保組合のホームページからも申請書をダウンロードできるから、それを印刷して病院で医師から労務不能の証明をもらって。休業中に給与が支払われていないことなど、事業主の証明も必要になるわ。そのまま会社経由で健保組合に提出してくれるはずよ。大体1カ月ごとに申請する感じね」

恭子 「分かりました。病気が長引いても大丈夫でしょうか? もらえる期間に限度はありますか?」