2030年度における国のPB対象経費
対GDP比で、19年度からの変化幅
財政健全化目標はまた先送りされるのだろうか。2021年6月の骨太方針では、政府が25年度の達成を目指している、国・地方の基礎的財政収支(PB)黒字化の目標年度を再確認することが明記された。
内閣府が7月に公表した財政試算によると、二つのシナリオのうち、高成長を実現する「成長実現ケース」では27年度にPBが黒字化する見通しである。さらに政府がこれまでと同様の歳出改革を続ければ、黒字化の2年程度の前倒しが視野に入るという。このため政府は当面、25年度黒字化の目標を維持するとみられる。
だが成長実現ケースのようにPBが改善していかなければ、政府はいずれ財政健全化目標の見直しを迫られる。その可能性は高く、23年度初めにも目標年度の先送りが表明されると筆者はみている。