国内景気は、長引くコロナ禍で飲食業や観光業などの苦境が続く一方、製造業を中心に緩やかな回復傾向にある。だが、材料価格の高騰が景気に暗い影を落とし始めている。(帝国データバンク情報部 丸山昌吾)
飲食・観光業などが苦境の一方
製造業は緩やかな回復傾向
東京では4回目となる緊急事態宣言の解除が8月31日まで延期になった。飲食店では時短営業や酒類の提供が禁止され、営業上大きな制約を受けているが、ホテル・旅館をはじめとした観光関連業界でも、書き入れ時となる夏休み期間の感染拡大対策は、集客に大きな影響を及ぼしている。
このように感染拡大の収束が見えないなか、依然として厳しい経営環境に置かれている業種がある一方で、海外ではワクチン接種が先行する国をはじめとして、いち早く景気が回復傾向に向かい、国内でも輸出関連企業などを中心に業績が回復傾向にある企業も多い。特に製造業においては、自動車関連や旺盛な半導体需要を背景に機械製造などで受注が持ち直しており、国内経済は製造業を中心に緩やかな回復傾向にある。