新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がきっかけとなった生産性向上のブームは、これで終わりだろうか。最新の統計を一見した限りでは、その可能性も示唆されている。米労働省が10日発表した4-6月期の労働生産性(一般的な労働者が1時間にどれだけの仕事をこなせるかを示すもの)は、年率換算で前期比2.3%上昇、前年同期比1.9%上昇した。これは、過去10年余りで最大の上昇率を記録した1-3月期(前年同期比4.1%上昇)から大幅な減速だ。7-9月期の生産性の伸びはさらに鈍化する可能性がある。米国経済の成長はまずまずのペースで続いているものの、雇用市場も同様に成長しているからだ。景気回復の初期段階では、需要の伸びが企業の雇用能力または意欲をはるかに上回っていた。既に雇用されている従業員が必死で働いた結果、1時間当たりの生産量が増加した。だが、この状態(従業員の激務に頼るだけ)は持続可能なものではなく、現在では雇用も追い付いてきている。