仕事の効率が何百倍に跳ね上がった意外なきっかけ

――寺澤さんは、どんなきっかけで「エクセルマクロ」を使うようになったんですか。

寺澤:じつは仕事ではなく、趣味の競馬だったんですよ。

――競馬ですか?

寺澤:そうです。好きな方はわかると思いますが、競馬は、過去のデータ分析がとても重要です。

 一つのレースでは最大18頭の馬が走ります。たいていの場合、予想を立てるためにそれぞれの馬について過去4~5レースのデータを見ていきます。当然ですが、これまでに全然違うレースを出走してきています。これまで走ってきた距離や枠順、馬場の状態はどうだったのか。どの競馬場だったのか、レースのランクはどうなのか、最後の出走はいつか…。

 そうした情報を検討し、二重丸や三角形の印をつけて、予想をしていくわけです。でも、たくさんの情報をきちんと精査するのはすごくたいへんです。

――確認すべき項目が多いですね。実際、自分の目で確認するのと、エクセルマクロを使うのとでは、どんな違いがあるのでしょうか?

寺澤:エクセルマクロを使うときは、さきほどのようなデータを競馬サイトからコピペしてエクセルにまとめておきます。

めんどうなエクセル仕事から解放!「一瞬」で「ミスなく」作業が終わるエクセル効率化の秘訣とは?実際にデータを張り付けていたシート

 そうすると、レース当日雨が降り、重馬場(コースの土が水を含んで重くなった状態)になったときに、「重馬場で好走している馬」を瞬時にピックアップできます。そういった情報は、18頭分を目で見て確認しようとすると、たいてい漏らしてしまいます。見落としていた馬が好走し、レース後に戦績を見てから「この馬もピックアップしとかないといけなかった!」と地団駄を踏むことはよくあります

 ほかにも、前走のレースが10着の馬は、それだけですごく人気が落ちます。でも「1着と1秒差の2着」と「1着と0.2秒差の10着」を比較すると、どちらに勝つ可能性があるのか、話が変わってきますよね。このようにタイム差までデータとして取っておけば、単なる順位だけでなく「1着とのタイム差」が少ない馬をピックアップできます。私はそんなふうに使っていました。

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――それはすごくおもしろい話ですね。

寺澤:ビジネスとはまったく関係ない話なので、本の中でも触れていないんですけど(笑)。