めんどうなエクセル仕事から解放!「一瞬」で「ミスなく」作業が終わるエクセル効率化の秘訣とは?

『働き方改革』『業務の効率化』が叫ばれるようになってかなりの時間が経つが、意外と進んでいないのが「事務作業の効率化」。未だに多くの企業で、エクセルと何時間も向き合って仕事をしている人がたくさんいる。どうしたら事務作業は効率化されるのか?
その問いに一つの解決策を示した『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』という一冊が大きな話題となっている。自分がやっている「エクセル仕事」を当たり前だと思わず、「週に一度でもエクセルに触る人」にはぜひとも知ってほしい仕事術。
今回は同書の著者であり、複数の企業で驚異的な業務改善を実現してきた業務改善のスペシャリスト・寺澤伸洋さんに話を聞いた。(取材・構成/イイダテツヤ、撮影/疋田千里)

ほぼすべての職場で使える効率化ツール

――今回の本『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』はエクセルマクロの初歩の初歩を学んでいく本ですが、そもそもマクロとは何ですか?

寺澤伸洋(以下、寺澤):一言で言えば、エクセルの操作を自動化するものです。自分がしている作業を事前にプログラミングしておくと、膨大な作業がボタン一つで瞬時に処理できます。

――具体的には、どんな作業をしている人に便利なのでしょうか。

寺澤:普段エクセルを使っている人なら、ほぼすべての人の作業が効率化されます。

 たとえば、データにフィルタをかけて、必要な部分だけを抽出する、といった作業をしている人は多いと思います。エリア全体のデータから自分の店舗だけを取り出し、さらに個別の商品データだけを取り出す。あるいは、自分のデータだけを取り出す。さらにそれを、別のシートにコピーして資料を作成することも多いのではないでしょうか。そういった作業を定期的にやっている人はたくさんいますよね。

 あるいは、チームのマネジメントをしている人なら、データから自分の部署の売上だけを抽出している人は多いと思います。そこからさらに、Aさんのデータ、Bさんのデータ、Cさんのデータと、メンバーのデータを抜き出してそれぞれ別シートにまとめることも多い。

――職場でよく見るシーンですね。

寺澤:そうした事務作業を、たいていの人はルーティンとして週に一回や、月に一回という頻度で当たり前のように行っています。

 多少なりとも効率化を考えている部署であれば、事務作業を一人に集中させ、その人が50人分、100人分の個別データを作る。そんな場合もあると思います。営業パーソンがクライアントを30件や50件担当している場合、営業事務と呼ばれる人が、クライアント別のデータを作成しているというケースもよくありますね。

 そうやって分業することで効率が上がるのはたしかです。ただ、実際に手を動かしてる人は「ひたすらデータを確認して、抽出して、コピペして…」という作業を繰り返しています。

――これは、ほとんどの職場で見られる光景ですね。

寺澤:ほんとうにそうですね。実際、データ作成を担当している人は一週間のほとんどを費やし、エクセルデータの「コピペ、確認」を続けています。

 でも「大きなデータから、必要な情報だけを取り出して、別のシートを作成する」という作業をあらかじめプログラミングしておけば、その作業は一瞬で完了します。それがマクロという機能です。

 本のタイトルは『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』となっていますが、大げさでなく、普段4時間以上かけてやっている事務作業でも数秒で終わります。事務作業に膨大な時間と労力をかけている人はほんとうに多い。何よりもまず「そういう機能がある」ことを知ってほしいですね。