眠れないときは
ベッドから出る

 日頃の対策も重要だが、何かの拍子で夜中に目覚めてしまう日もある。もしも中途覚醒後に寝付けなくなった場合は、どうすればよいだろうか。

「実は、眠れないことを思い悩んでベッドの中でもんもんと過ごすほうが寝付きを悪くします。眠気の周期は90~120分周期でやってきます。眠れないと感じたらベッドを出てソファに座るなど、一度睡眠から離れて再び眠気が強くなるのを待ちましょう。その際、スマホの画面を見るとブルーライトの影響で脳が興奮状態になるので、触らないようにしてください。もしも、中途覚醒が増えて日中も強い眠気を感じる日がとても多いなら、睡眠専門の病院の受診をおすすめします」

“睡眠”の重要性が注目を集めている近年では、睡眠外来など専門病院も徐々に増えつつある。不眠が深刻化する前に専門家に相談すると安心だ。

「睡眠によって得られる疲労回復は、私たち高等動物に与えられた効率のいい生命維持機能のひとつです。まさに心身の健康の源。中高年世代で中途覚醒が増えている人は、さまざまな工夫をして睡眠の質をよい状態にキープできれば、高い免疫力も維持できるはずです」

 中途覚醒に悩まずぐっすり眠りたい……。その願いをかなえるためにも、まずは自分の睡眠環境と生活習慣の見直しをしてみよう。

安達直美(あだち・なおみ)
株式会社エス アンド エー アソシエーツ取締役常務執行役員。一般社団法人日本睡眠改善協議会認定上級睡眠改善インストラクター。国内大手航空会社にて国際線客室乗務員として勤務後、寝装品メーカーの研究所で睡眠に関わる研究に従事。睡眠文化戦略コーディネーターを経て、現職に至る。著書に『美人をつくる「眠り」のレッスン』(中経出版)。