コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
 ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
 発売3週間で7.6万部を突破した、樺沢紫苑氏による最新作ストレスフリー超大全』では、ストレスフリーに生きる方法を、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した。
「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫るーー。

睡眠は「量」か「質」か?

睡眠で重要なのは、「量」と「質」のどちらでしょうか。結論から言うと、「両方」です。睡眠で重要なのは質ですが、最低6時間は眠るのがベストと言われていて、結局のところ両方なのです。ただし7~8時間の睡眠をとっていても、睡眠の質が悪ければ意味がありません。

睡眠の質は、朝、目覚めたときの気分でわかります。睡眠の質が高い人は、目覚めがスッキリとして、気分は清々しく、前日の体の疲れも回復し、「今日も1日頑張ろう」と意欲に満ちあふれています。アラームなしで自然に目が覚めるのも、いい睡眠の特徴です

一方、質の悪い人は、朝起きるのがつらい人です。「もっと寝ていたい」と感じ、体の疲れがとれず、「仕事に行きたくない」と思ってしまいます。アラームを何度も延長して、ギリギリまで寝ようとする人は要注意です。

また、寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めたり、日中に強い眠気がある人も、睡眠の質が悪い徴候です

スマホの「睡眠アプリ」やスマートウォッチなどを活用すると、睡眠の状態をグラフで見ることができます。心配な人はチェックしましょう。

「寝る前90分」に今すぐやめるべき悪習慣Photo by Adobe Stock

睡眠に悪い習慣をやめる

まず、あなたがすべきなのは、睡眠に悪い影響をおよぼす生活習慣を徹底して排除することです。

「寝る前の時間」の使い方を見直すのです。睡眠の質を上げるには、寝る前の脳を「リラックス」させることが必須です。脳が「興奮」した状態で布団に入ることをやめなくてはいけません。以下、睡眠に悪い生活習慣を紹介しましょう。

(1)ブルーライトを浴びない

「ブルーライト」とは、スマホやPC、蛍光灯などから発される光のことです。ブルーライトは青空の波長、つまり昼に出る光の波長です。一方で、従来型の電球の赤っぽい光は、「夕焼け」の波長です。

ブルーライトを浴びると、脳が「今は昼だ」と誤認し、睡眠物質のメラトニンの分泌を抑制します。一方で、赤っぽい光を浴びると、「これから夜になる」と脳が認識し、メラトニンが分泌され、全身の活動に徐々にブレーキがかかり、睡眠の準備へと向かうのです。

(2)飲酒・食事をやめる

「寝酒は眠りにいい」と思っている人がいますが、完全に間違いです。飲酒は、寝つくまでの時間を若干短縮しますが、トータルの睡眠時間も短縮させてしまいます。飲み会の次の日の朝、早く目が覚める経験をしたことがあると思います。「睡眠時間の短縮」と「早朝覚醒」が、アルコールの薬理効果なのです。

飲酒は、睡眠に極めて悪影響をおよぼします。アルコール依存症の患者さんが、睡眠障害を併発することが多いのはそのためです。

私の患者さんで、睡眠薬10錠以上を飲んで不眠症を数年間かけて治療した人がいました。その人は、入院して1週間禁酒しただけで、睡眠薬なしで眠れるまでに改善しました。飲酒の習慣のある人で「眠りが悪い」という人は、一度、禁酒をしてみるべきです

また、寝る前2時間以内の「食事」は、睡眠の質を低下させます。食事により、成長ホルモンが出なくなるのが原因です。成長ホルモンは、「血糖値を上げる」効果があるため、血糖値が高い状態では、分泌されなくなります。いい睡眠には成長ホルモンの分泌が重要です。成長ホルモンが分泌されないと、疲労が回復されません

(3)興奮系の娯楽を避ける

興奮系の娯楽とは、ゲーム、映画、ドラマ、漫画、小説などです。ゲームをしていて深夜になっても眠気がこないのは、興奮物質アドレナリンが出ているからです。アドレナリンが分泌されると、交感神経優位な状態となり、心拍数や血圧も上がり「興奮」状態となります。

睡眠のためには、副交感神経優位の「リラックス」状態が必須なので、「興奮系娯楽」は極めて睡眠に悪いと言えます。心臓がドキドキして手に汗握るようなコンテンツは、寝る前は避けましょう。