自民党の多様性に期待

 出馬の際、野田聖子は「自民党に多様性があることを示したい」と繰り返した。自民党と聞いただけでアレルギーが出る人々もいるだろうが、自民党は大きな党だから、その所属議員の間にはガチガチの保守からリベラルまで見事なグラデーションがある。それだけの多様な意見を持つ政治家たちを、実は抱えられるだけのキャパシティがある。長年、政権与党であり続けるということは、手元は非常に実践的かつ現実的で、よく言えば目の前の現実に柔軟に適応でき、悪く言えば風向きに応じて手のひらも柔軟に返すということだ。

 日本の政治のフロントラインには、「多様性」なんて机上の概念で民をひとくくりに語る政治家ではなく、「人は多様であり、人生の選択は多様である」と人生かけてその身を削って知る野田聖子がいてほしい。総理にしろなんて大それたことは、ファンは言わない。フロントラインであればいい。なぜなら、野田聖子ほどにいろいろな要素を兼ね備えた知性とユーモアと人情あふれる女性政治家を総理大臣に戴くなんて、今の日本には100年早いからだ。言っておくけれど、負け惜しみじゃないからね!