くも腰砕けの「岸田・分配政策」で社会保障はどうなる?Photo:Pool/gettyimages

「分配重視」の重要な柱だった金融所得課税強化から早々と“撤退”したことから、岸田文雄新政権の「分配政策」は、本当に必要な政策には手をつけないことが分かった。

 この調子では分配政策のもう1つの重要な柱である社会保障制度も放置されるだろう。

 他方で人口高齢化が進むので、2040年までに社会保障の給付を4分の1削減するか、負担を3割引き上げることが必要となる「悲惨なシナリオ」が現実になる恐れが出てきた。

金融所得課税強化、1週間で撤退
株価の下落に配慮

 日本では金融所得に対して一律20%の税率による分離課税が行なわれている。これは日本の格差問題の大きな原因の1つだ。

 これを見直して金融所得課税を適正化することは、分配政策の最も重要な柱の1つだ。岸田首相は自民党総裁選の公約でこの見直しを盛り込んだ。