「官邸主導」は継続されるのか?
経済政策に影響する統治スタイル
4日発足した岸田文雄政権は、安倍晋三元首相や麻生太郎前財務相の強い影響下に誕生した政権であり、安倍・菅政権の継承型の政権になるとの声も多い。
しかし、フルスペックの激しい自民党総裁選を勝ち抜いて誕生した政権であることも確かで、前政権や前々政権とは異なる特色もいずれ見えてくることだろう。
注目点は安倍・菅政権で強まった「官邸主導」の統治スタイルが変わるのかどうかだ。さらに分配重視を掲げる中で、どのような財政政策を進めるかだ。
実は統治スタイルと分配は深く関わり合っている。
ボトムアップの「官僚主導」
なぜ機能しなくなったか
「官邸主導」の統治とは、言い換えれば「政治主導」ということであり、「政治主導」とは、すなわちトップダウン型の政策決定スタイルに他ならない。
「政治主導」に対置される概念としての「官僚主導」は、ボトムアップ型の政策決定スタイルということになる。