(7)リスクの見積もり方
「標準偏差」について説明し(数学でやっているはずだが)、一般に金融の世界ではリターンの標準偏差でリスクを測ることを伝える。次いで、「平均マイナス2標準偏差」で損失額の見当を付ける方法を説明し、何例か生徒に計算させる。
(8)分散投資の効果
次に、個別株(生徒に選ばせてよい)を3銘柄くらい選ばせる。そして、過去5年の月次リターン(配当は無視して株価変化率をリターンとしてよい)から標準偏差を計算させ、次にTOPIX(東証株価指数)のリスクを計算させる。
両者を比較させ、気づいたことを述べさせる。
余裕があれば、複数の銘柄を組み合わせて投資した場合にリスクがどうなるかを計算させる。エクセルの得意な生徒にレポートさせてもいいだろう。
TOPIXに分散投資の効果があることを生徒が理解できたら、一応の目的を達したことにしていい。
(9)金融商品の手数料コストの重要性
投資信託の目論見書を三つほどプリントアウトして、教師と生徒とで一緒に読む。
生徒が分からない用語については教師に質問させ、教師が説明する。同時に投資信託の仕組み(投信運用会社、信託銀行、販売会社の役割)なども説明する。iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)の現実的な投資対象は投資信託になるので、投資信託は仕組みを理解させておく必要がある。
生徒に対する課題として、それぞれの投資信託が「購入時にいくら手数料が掛かるか?」「1年当たりではいくら掛かるか?」「20年間(つみたてNISAの期間)で手数料をいくら払うことになるか?」等を計算させて、手数料にどのような意味があるか教室で議論する。