(10)金融で他人を頼ることの危険性

 学校の近くにある金融機関の店舗(大型店舗でない方がいい)を一つ指定し、生徒に訪問させる。「この店舗にはいくらコストが掛かっているか?」「この店舗はいくらもうかっているか?」などについて推定させ、教室で議論する。

「働いている人は何人いた?」「何人が正社員かな?」「給与はどれくらいだと思う?」「店舗の家賃はどれくらいだと思う?」「お客さんは1日何人くらいいると思う?」「あの店舗は何で利益を得ているのかな?」などと質問し、生徒に考えさせる。

 教室に証券会社や銀行などのOB(元支店次長クラスがいい)を教室に招いて、店舗の収益構造や営業の実態について語ってもらうのも良い教育になるはずだ。

 金融機関に頼ったり、セールスマンを信じたりしてはいけないことについて、教師が詳しく説明するまでもなく、生徒は理解するだろう。

高校生の将来の「生きる力」を養うには
自分で計算させることが重要

 架空の授業内容について考えてみると十分、1学期分の授業内容になりそうだ。特に、生徒に自分で計算させることが重要だと思う。(1)から(9)まではいずれも高校生の学習内容で処理できる内容なので、甘やかさないで問題を解かせることこそが将来の「生きる力」につながる親切だろう。

 実は筆者には、現在高校生の息子と来年高校生になる予定の娘がいる。彼ら(特に娘!)を使って実験してみたい気分になったのだが、嫌がられそうな気もする。万一、首尾良く実験ができたら、本にでもまとめてご報告したい。