アサヒビール、「生ジョッキ缶」ヒットの裏に“原点回帰”のデジタル施策Photo:123RF

連載『DXの勝ち組を解剖!ウェブサイト価値ランキング2021』(全5回)の#5では、アサヒビール、セブン-イレブンの2社におけるデジタルメディア活用の取り組みを紹介する。21年4月に発売されヒット商品となったアサヒビールの「生ジョッキ缶」では、ホームページの作成に注力したという。どんな取り組みを行ったのか。担当者に話を聞いた。(トライベック・ブランド戦略研究所 後藤 洋、平井郷子/ライター 高橋 学/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

「週刊ダイヤモンド」2021年10月16日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

大ヒットの生ジョッキ缶では
「ホームページ強化」が奏功

 SNS全盛の時代に、あえて原点に立ち返り、ホームページ(HP)の施策に力を入れたのがアサヒビールだ。近年はSNSに重点投資してきたが、顧客が最終的に購買に至るにはSNSの投稿だけでは不十分。「もっとワクワクする体験があってこそ購買という態度変容につながる」(デジタルマーケティング部次長の田中嗣人氏)と考えた。

 つまり、SNSの投稿を見て流入した顧客が、体験価値を上げる場として、HPを重要なメディアと改めて位置付けたのだ。

 その最たる例が、2021年4月に発売した「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」の施策だ。