「嫉妬はネズミでもするといわれます。それほどの原始的な感情なので、まずは嫉妬している自分は責めないでください。そもそも嫉妬は、自分にないものを相手が持っているときに生じる感情です。まずは、『なぜ、自分はそれが欲しいのか』を考えてみましょう。よくよく考えてみると、そこまで欲しいものではなかったり、単純に相手が嫌いだったりすることもあります。一方、本当に欲しいとなったら努力をするチャンスだとポジティブに考える。ただし、頑張る際には『垂直方向』より『水平方向』を意識した方がいいです。例えば、営業成績で張り合うのではなく、別分野の事務対応で頑張るなどですね」

 能力は個人差があるので、無理に同じ尺度で比べず、別分野で競う方が、心が楽になるだろう。

メンタルの不調は
努力不足のせいではない

 人生もそろそろ折り返し地点に差し掛かっているミドル世代に引き起こるのがミッドライフクライシス。いわゆる中年の危機だ。これは心身や環境の変化により、アイデンティティーが揺らぎ、「自分の人生はこのままでいいのか」と葛藤するものである。

 特にミドル世代の男性は仕事で思うような結果が残せなかったり、同僚との差を感じたり、今のポジションを失う不安などがきかっけで引き起こるケースが多い。そんな中年の危機に直面したときは、主に三つの解決法があるという。

「まずは自分史をつけてみてください。今までの人生の出来事を過去と現在でまとめ、今後どのような未来を歩みたいのかを書き出して、自分を再定義します。その際は、書き出した自分史に良い悪いの判断を加えず、そのまま受け入れることが重要です。まずはありのままの自分を受け入れてみてください。これは、自分のアイデンティティーを明確にする効果があります」