若手の言う「成長したい」の真意

「成長したいんです!」

この言葉の裏にある、若手社員が本当に求めているものは何でしょうか?

若手の本音がここに隠されているのですが、企業側(上司や人事担当者など)が理解していないケースがほとんどです。

さて、若手は成長して高い報酬を得たいのでしょうか。

それとも、昇進して、より高い役職に就きたいのでしょうか。

それも一つだと思いますが、あくまで副次的なものです。

若手が成長したいと思う理由は、自信を手にしたいからです。

そう、若手育成で最も大切なことは、自信を持たせることなのです。

「若い人は経験が足りないから、大きな仕事は任せられない」と言う上司がいますが、それは大きな誤解です。

本人に自信があれば、「やったことがないけれど挑戦したいです!」と堂々と上司に申し出るはずですから。

「今どきの若手は受け身だ」

これも本当によく耳にする言葉ですが、責任感が強くまじめな若手ほど「失敗して上司やチームに迷惑をかけたらどうしよう」と慎重になり、「できます!」と即答できません。自信がないから言い出せないのです。

例えば40~50代の上司から「この新しいゲーム、急ぎで誰か一面クリアしてくれないかな?」と言われたら、ゲーム好きな若手は、そのゲームをやったことがなくても「やってみます」とすぐに手をあげるでしょう。

「このスマートフォンの設定、わかるかな?」と聞けば、「これですね」と躊躇(ちゅうちょ)せずに上司のスマホを操作するはずです。

上司よりも確実にできそうだという自信があるから、迷わず行動できるのです。

今、若手に必要なものは、やる気でも経験でもなく、自信なのです。

つまり、若手の「成長したいんです」という言葉は「自信がほしいんです」というメッセージなのです。

ここを勘違いしているので、「会社は自己成長の場じゃない」と、若手の声に耳を貸さない上司もいるのです。