コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はセブン&アイ・ホールディングスやローソンなどの「コンビニ/スーパーマーケット」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
セブン&アイは大幅増収
イオンはわずかに減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のコンビニ/スーパーマーケット業界4社。対象期間は21年6~9月の直近四半期(セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオンは21年6~8月期、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは21年7~9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・セブン&アイ・ホールディングス
増収率:49.7%(四半期の営業収益2兆911億円)
・ローソン
増収率:7.1%(四半期の営業総収入1795億円)
・イオン
増収率:マイナス0.1%(四半期の営業収益2兆1917億円)
・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテなど)
増収率:6.5%(四半期の売上高4455億円)
※パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
コンビニ/スーパーマーケット業界の4社では、セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが前年同期比増収、イオンが前年同期実績をわずかに下回った。
特に、セブン&アイ・ホールディングスは前年同期比で5割弱の大幅増収となっている。この要因は大きく二つある。それらは何だったのか。次ページ以降で詳しく解説する。