ジェフ・ベゾス自身の言葉による初めての本『Invent & Wander』が刊行された。100万部ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』などで知られるウォルター・アイザックソンが序文を書き、翻訳も100万部超『FACTFULNESS』などの関美和氏が務める大型話題作だ。
その内容は、PART1が、ベゾスが1997年以来、毎年株主に綴ってきた手紙で、PART2が、「人生と仕事」について語ったものである。GAFAのトップが、自身の経営についてここまで言葉を尽くして語ったものは二度と出てこないのではないか。
サイトとしてだけでなく、キンドル、プライム・ビデオ、AWSなど、多くの人が「アマゾンのない生活など考えられない」というほどのヒットサービスを次々と生み出し、わずか20年少しで世界のあり方を大きく変えたベゾスの考え方、行動原則とは? 話題の『Invent & Wander』から一部を特別公開する。

ジェフ・ベゾスが「人類は宇宙に住む以外道がない」と断言する衝撃理由Photo: Adobe Stock

「資源が枯渇する」という明白な事実

 グローバルなエネルギー使用量は毎年3パーセント伸びています。あまり大きな伸びに聞こえないかもしれませんが、それが毎年重なるとものすごい量になります。毎年3パーセントずつ複利で増加すると、人間のエネルギー消費量は25年ごとに倍になります。

 現在のグローバルなエネルギー使用量を考えると、ネバダ州全域を太陽光パネルで覆うことですべてが賄える計算になります。もちろん、そんなことはかなり難しいように思えますが、不可能ではないでしょう。いずれにしろネバダ州のほとんどは砂漠ですから。

 ですが、3パーセントの複利がそのまま伸びていくと、ほんの数百年もすれば地球全体を太陽光パネルで覆わなくては追いつかなくなってしまいます。そんなことは不可能です。現実的でもなければ、うまくいくはずもありません。ではどうしたらよいのでしょう?