著名人や有名経営者から名指しで「あなたにインタビューをしてもらいたい」と声がかかるインタビュアーの宮本恵理子さん。これまでに取材した相手は延べ2万5000人以上。そんな彼女の「聞くスキル」を一冊にまとめた『行列のできるインタビュアーの聞く技術』が好評発売中です。本書の巻末には、実際に寄せられた「取材時の困った!」に宮本さんがどう対処してるのかをまとめました。本連載では、書籍の回答に大幅加筆し、取材の悩みに回答していきます。『行列のできるインタビュアーの聞く技術』と一緒に読み込めば、きっと話を聞くスキルがぐっと高まるはずです。

ノート、ICレコーダー、そして○○!<br />優秀なインタビュアーが活用する意外な三種の神器Photo: Adobe Stock

ノート、ICレコーダーに加えて
意外にも○○が取材で役に立つ

質問:取材時に欠かせない「三種の神器」はありますか?

回答:まず、先日の質問(「優秀なインタビュアーは取材中、どんなふうにメモを取る?」)で回答した記録用のメモ、ノートは必携です。ただし、手元のメモに書けるのはせいぜいキーワードくらいで、話し手が語ることをすべて、メモに記録することは不可能です。

 そこで必要になるのが音声を録音するレコーダー。スマホの録音機能でも音声のレコーディングはできますが、やはり鮮明に記録できるのは専用機器のICレコーダーです。

「どこの機種を使っているんですか?」というのもよく聞かれる質問ですが、私はソニー製のICレコーダー、ICD-UX513Fをメインで使っています(拙著『行列のできるインタビュアーの聞く技術』では写真付きで紹介しています)。「これでなければ」という強いこだわりがあるわけではありませんが、シンプルで使いやすく、重宝しています。

 軽くて小さいので紛失には要注意! バッグの中やテーブルの上で目立つよう、色はシャンパンゴールドを選びました。さらに、万が一、置き忘れてしまったときのために、ICレコーダーの油性ペンで連絡先も書いています。

 三つ目の神器は、「時計」です。限られた時間を効率よく使うため、テーブルの上に置く小さな時計を持参しています。インタビューのために通された部屋に時計があるとは限らないので、念のため持ち込むようになり、そのうち毎回の習慣になりました。これも、ちょっとした置き方のコツがあります。

 拙著『行列のできるインタビュアーの聞く技術』には実物の時計の写真も掲載しているので、よかったらご覧ください。

『行列のできるインタビュアーの聞く技術』では、本記事で触れたような相手の話を聞くためのさまざまなスキル、相手の心をほぐして話をよりスムーズに聞くためのスキルを88、紹介しております。そしてこの聞く技術は、インタビューという特殊な環境ばかりではなく、営業や1on1、会議、面接、コーチング、採用、雑談などあらゆるシーンでも生かすことができます。ぜひ、本書を手に取ってみてください。

ノート、ICレコーダー、そして○○!<br />優秀なインタビュアーが活用する意外な三種の神器