優秀なミドルマネジャーに変わるために必要なこと
さて、A課長はどうすれば、優秀なミドルマネジャーに変われるだろうか。そのために必要なことを紹介しよう。個人の努力だけでは難しい部分もあるので、上司であるB部長の指導が必要かもしれないが、まずは以下を理解・実践することだ。
①ミドルマネジャーの役割を理解する
まず必要なのは、改めて先述したミドルマネジャーの役割を理解することだ。プレーヤーとしてどれだけ活躍しても、マネジメントができなければそれ以上のマネジメント職(部長など)にはなれないことを理解することが、第一歩となる。
②権限委譲を意識する
仕事の進め方に関しても、基本は権限委譲(エンパワメント)であることを強く意識しなければならない。思い切って部下にどんどん仕事を任せさせるのだ(ただし、任せること=丸投げでないのはもちろんである)。
最初はまどろっこしく感じるかもしれないが、人間というものは適度にストレッチした仕事を与えると、それなりに頑張るものである。自分でやってしまいたくなる気持ちを抑え、部下の能力を少し超えた仕事を与えるようにアドバイスしたい。人間の可能性を信じるということだ。
そのためには、必然的に部下とのコミュニケーションが必要となる。また、自分で仕事をこなすことに喜びを感じることは決して悪いことではないが、それ以上に部下の成長や良い仕事に喜びを見出してほしい。
③時間の使い方を変える
ミドルマネジャーになったからと言って、意識は急には変わらない。思い切って時間の使い方を変えることも必要だ。あえて「〇〇%」以上の時間はプレーヤー業務に割かない、「△△%」の時間は部下とのコミュニケーションに割くように、といったように、自分自身の業務配分を決めることはおすすめである。
プレーヤーとして優秀な人材が、ミドルマネジャーとしても優秀だとは限らない。昇進したら、まずはプレーヤー意識を捨て、ミドルマネジャーとしての視点を持つようにしたい。