4回目となる「輝け!お寺の掲示板大賞2021」の各賞を3回に分けてご紹介していきます。まずは大賞受賞作品に続いて、仏教系3紙と笑い飯哲夫さん提供の受賞作品をご覧ください。(解説/僧侶 江田智昭)
仏さまは腹を立てない
「輝け!お寺の掲示板大賞2021」にたくさんのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。4回目となる今回は、4カ月の応募期間内に2887件の投稿がありました。第1回(2018年)が700件でしたので、約4倍に増加したことになります。受賞作品の中でこれまでの連載でご紹介したものについてはリンクを貼りましたので、詳しい解説はそちらをご参照ください。
今回の大賞は「お寺の掲示板大賞」の常連、広島市中区にある真宗大谷派の超覚寺の作品「仏の顔は何度でも」です。住職の和田隆恩師は「掲示板職人」の異名を持ち、今年も応募期間中には毎日複数の掲示板を投稿してこられました。応募締め切り後にも毎日のように言葉を変えて掲示しており、日本で一番掲示伝道に熱心なお寺といえるでしょう。
現在、「仏の顔も三度まで」ということわざが世間に定着しています。これはどんな温厚な人でも腹を立てる意味ですが、ことわざの中に「仏」という言葉が使われている関係で仏さまが三度程度で腹を立てると思われている方もいるようです。
仏さまは腹を立てる方ではないのに、なぜ「仏の顔も三度まで」と言われるのだろうかと個人的に以前から疑問を持っていました。このことわざの由来とされているお釈迦さまのエピソードの中でも、決して腹を立てていたわけではありません。
「仏の顔も三度まで」というより「仏の顔は何度でも」のほうが仏さまの表現としては正確であることを多くの方々に知ってもらいたいという理由でこの作品が今回の大賞に選ばれました。