遺産分けが長引きそうなら、相続人代表口座に仮の移管をする遺産分割協議が長期化しそうな場合等には、凍結を解除するための手続を行い、いったん相続人代表口座に預金を移すことも可能です。

 遺産分割協議が決まったら、その口座から各相続人に振込をします。この手続を行う場合には、故人の戸籍謄本(出生から死亡)、相続人全員の戸籍謄本、署名と押印(実印)、そして印鑑証明書が必要になります。この手続には、遺言書も遺産分割協議書も必要ありません。

手続は最寄りの支店でもOK

 口座の解約手続等は、基本的に同じ銀行であれば、口座のある支店ではなく、どこの支店でも行えます。

 また、窓口で行う手続は、相続人代表者1人でも行えますが、提出する書類には、相続人全員の署名や印鑑証明書が必要になるので、事前に確認してから訪問しましょう。

残高証明書・入出金明細の取得

 相続税の申告が必要になる方であれば、相続発生日における預金の残高証明書や、過去の取引履歴を明らかにする入出金明細の取得が必要になります。

 これらの書類は、解約手続と異なり、相続人の1人が単独で請求することが可能なので、他の相続人の同意(印鑑証明書)などは必要ありません。

 必要書類は、①故人の戸籍謄本、②請求をする方の戸籍謄本(抄本でもOK)、③請求する方の印鑑証明書です。

 なお、取得の際に、名義人が亡くなったことを伝えれば、その時点から口座は凍結されますので注意しましょう。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)