TPP、原発、消費税問題…様々な注目トピックにあふれる今回の総選挙。その中でも国民の関心が高いのがやはり「経済」。それでは、経済政策でどのようなことが起こっていくのか? 投資家やビジネスマンだけではない、生活者として大事な経済政策のお話。
安倍氏の発言で為替が動いたのは「期待」
―前回の「どうやって投票する人を決めるか」はとても参考になりました。あれからいろいろな政党の公約を比較してみているんです!美辞麗句が並んでて不安になりますが、ざっくりとした方向性が見えてきました。
坪井 そうそう、情報収集は大事だよ。誰に投票するかであとあと自分の生活に影響があると思うと結構真剣になれるでしょ。同時に、同じ政党の候補者でも意見がバラバラだということもわかるでしょう。新聞の地域版の記事が重要だからよくチェックするといいよ。
―とはいえ、「自分の一票じゃ世の中は変わらない」って思っちゃいますけどね…。
坪井 いやいや、金融政策の考え方を見ても党首によって違うからね、まじめに公約を見て選ぶ人が増えれば、日本全体の動く方向が変わってくると思うよ。
たとえば、11月後半、日経平均株価が9300円台を突破した。これは7ヵ月ぶりのことだったし、同時に円安も進んだ。これ以降、株高、円安傾向が続いているんだ(2012/12/6現在)。これは安倍晋三自民党総裁の発言がきっかけだった。ざっくり言うと「政権をとったら大胆な金融緩和を行なう」ということだったよね。
この発言で、どうして日経平均株価が上がったか、分かるかな?
―安倍さん、つまり自民党が政権をとったら景気がよくなるとみんなが思ったから? 前々回、経済は人の心理で動くって言ってましたよね。
坪井 よく覚えていたね。お金の動きを考えるときには、
・為替
・株
・債券(国債など)
この3つを頭に入れて考えよう。これらは連動していて、独立して動くわけではない。そして、動く方向は投資家の「将来の予測」である、ということが大事なんだ。